キアゲハ(蝶)の幼虫飼育と経緯
おじいちゃん、おばあちゃんの家のパセリに、ちょうちょが卵を産み付け、幼虫が孵りました。
去年の8月ごろの話です。年長の娘が虫好きなので、6匹の幼虫を鉢植えのパセリごといただいたのがきっかけでした。
その時点では、何かのちょうちょ、くらいにしかわかってなかったので、幼虫をじっくり観察しながら、娘と図鑑を1ページずつめくっていきます。その結果…
キアゲハの幼虫だ!ということが分かりました!
鳥に食べられたり、人間が地面を這っている幼虫を踏まないように、網目の小さなネットをかぶせて飼育しました。
餌のパセリはどんどん食べられて、葉っぱがなくなってしまったので、店で買ってきたパセリを2回ほど追加しますが、
最後は、だんだんと食べなくなりました。
少し肌寒くなって秋めいた9月半ばになって、ようやくさなぎになったのですが、早く羽化しないと秋が深くなって冬も来てしまうので、子ども達とまだかまだか待っていました。2週間くらいで羽化するはずなのですが…。
娘「ママ~、キアゲハの幼虫、ちょうちょにならないねぇ」
私「う、うん。もうちょっとかなぁ」
秋に蛹(さなぎ)になったキアゲハは越冬するタイプ!?
10月上旬になっても一向に出てくる気配がないので、「
なんでだろうねぇ。おかしいねぇ。死んじゃったのかなぁ」と、
娘と2人でキアゲハについて図鑑やインターネットで調べてみました。そして、衝撃の事実が分かりました。
キアゲハは、「1年のうちに、孵化⇒成虫⇒産卵というサイクルを4~5回繰り返す」ということ。
また、「春型と夏型がいて、夏の最後に生まれる夏型は、蛹のまま越冬して春に孵化する」ということ。
私「えぇ~、ちょうちょって春や夏の間に、生まれたちょうちょが卵を産んで、その子がまた卵を産んで、そのまた子供が卵を産んでって、4回とか5回赤ちゃんが大人(成虫)になるんだって!ママも知らなった!」
お恥ずかしい話ですが、ちょうちょの越冬なんか考えたことがなくて、あるとしてもカマキリ同様「卵」の形かな?いうイメージでした。
娘も目をまるくしていました。
そう、今回、わが家にきた子達は、秋型で越冬する「今年最後の幼虫たち」だったんです。
蛹の越冬の準備
すぐに羽化するとおもっていたのですが、越冬することが分かったので、蛹になった子達を保護する必要がありました。
この時点で、6匹いた幼虫のうち、生き残って蛹になったのは4匹です。
蛹が落ちた?どう対応する?
蛹は、しっかりと何かにつかまって蛹になったはずなのですが、わが家の場合、風に飛ばされて地面に落ちたり、蛹になったパセリの茎が冬に枯れて地面に倒れたり、ネットの折り重なった部分で蛹になったりしていました。
そこで、羽化する時に備えて、あらためて足場を作ることにしました。
1つの蛹あたり、割りばし2膳を角度(100度くらい?)を付けて輪ゴムで固定し、尖っている方のお尻の先にほんのちょっとボンドをつけ、割りばしに固定しました。また、幼虫が自分で体を固定する時に出していた糸かわりに、糸を軽く一周だけ蛹まいて、割りばしの後ろでセロテープで留めました。
こうして、割りばしと糸とセロテープ、輪ゴムで作った足場を、蛹が羽化のため植木鉢に立てました。
もう幼虫ではないので、動き回ることもないため、ネットも外しました。
越冬中注意したこと
越冬中置いていたのは、玄関先の少し雨除けがある場所です。
殆ど放置でしたが、雨はほぼ当たらない場所だったので、2週間に1度ほどシュッシュッと霧吹きをしていました(ちょっとこの頻度が適切かは分からないのですが(汗))。
越冬中アゲハ蝶の蛹の色の変化(茶色から黒い色になっていく)
薄茶色だった蛹が、だんだん黒褐色になっていったときは、最後の最後でみんな蛹の中で死んでしまったのではないかと心配しました。
ただ、機会があって蝶の羽化を促している動植物園の係員の方に聞くと、おそらく羽化の準備が始まっているだけだから、もう少し様子を見た方がよいと話をいただきました。
期待と不安いっぱいの秋型の越冬になりました。
全く反応がない期間が長いので、かなり心配になりました。
余談ですが、越冬中、これが強風や雨で崩れたり、蛹が落ちたり、行方不明になり、何回か作り直しました。
春にキアゲハがようやく羽化!
少し暖かくなってきた4月上旬に、最後まで生き残っていた2匹のキアゲハが無事に羽化して飛び立っていきました。
夕方、少しずつ蛹の背が割れて、だんだん羽が伸びていくのを、何回も家の外に出てじ~と観察している娘を見て、やっぱり飼育してみてよかったなと思いました。
ちなみに、羽化までたどり着けるキアゲハは、一部では0.6%ともいわれているようです。
結局6匹中2匹ではありましたが、成功した方なのでしょうか。(4匹も成虫にしてあげたかった!)
これもまた経験。外遊びで好きな「虫取り」ですが、調べたり、触って観察したり、発見もありました。
きっと何かにつながっていくはず!