この記事は、教育学者の齋藤孝さんが、アドラーの言葉を児童書『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉』としてまとめたものをレビューしています。
特に読んでほしい人:
・自分を変えたい人
・ポジティブ思考になりたい人
おススメポイント!
「幸せな生き方」を追求したアドラーがたどり着いた「ポジティブ思考 」ってどんなものがチェック!
アドラーとはどんな人物?
アルフレッド・アドラーに関する本は、中高生向けや一般向けとしては多数出版されていますが、この本は小学生を対象にしています。
アドラーとはどんな人物だったのでしょうか。
アルフレッドアドラーは、オーストリア出身の精神科医で、「どうしたら人は幸せに生きられるか」を考え続けた心理学者でもあります。
精神科医ってことは医師、そして心理学者!
心を掻き立てる名言がたくさんありそうな予感!
著書の齋藤さんは、アドラーの言葉を、とてもシンプルだといいます。
この本は、アドラーの言葉をさらに小学生でもわかるように超訳としてまとめたそうです。
前書きで、アドラーの言葉をこう紹介します。
「今ここからのことはすべて自分で決められる(変えられる)」ということです。何を選ぶか、何を選ばないか、どんな人生を歩むかは、自分の意志で決められるとアドラーは言っています」
『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉』 前書(齋藤孝)
素敵な言葉です。
また、親が子どもにできるのは「勇気づけ」で、勇気づけることができれば、子どもはチャレンジを繰り返しし、幸せな生き方を自分で決めていけるようになる、と言っています。
過去の自分はさておき、常に今からの自分がどうするかを考えていく。
ポジティブな考え方ですよね。
見習いたいです。
アドラーの言葉、5つのポイントとは
この本では、アドラー的な考えをもった子ども(「こどもアドラー」)の5つのポイントとして、次の5つを挙げています。
①チャレンジし続ける。
②過去の失敗は関係ない。
③すべては自分次第。
④人と協力しあう。
⑤しっかりと前を向く
そして、この5つについて、5つからなる章立てでアドラーの言葉や考えを紹介しているのが本の構成です。
ざくっと、紹介します。
ポイント① チャレンジし続ける(アドラー)
アドラーの言葉:「自分に限界がある」と思うと、成長できない!
出典:『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉』p14
➡物事がうまくいかない時、「自分なんてこんなもの…」というような、あたかも「自分に限界」を決めつけないこと。
限界なんて、自分の中にあるものではなくて、そんなマイナスの気持ちがそもそも「限界」を作ってしまう。
アドラーの言葉:劣等感を持つのは、向上したいと思っているからこそ。勇気があれば、劣等感は克服できる!
出典:『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉』p20
➡大切なのは、現状打開しようという「勇気」。他人と比べるよりも、昨日の自分と比べて一歩前に踏み出そう。
アドラーの言葉:やるべきことがあるのに、気晴らしばかりしていては、やり遂げられない!
出典:『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉』p24
➡やるべきことを先延ばししても、「やらないといけないこと」は終わらない。「終わらせる」には、「始めない」と。やり遂げた自分と、やらなかった自分を比較して想像したりして、まずは始めてみること。「何かをやり遂げること」ができたら、自分を好きになることにもつながる。
ドキっとする言葉もありますね。
大人になった私でも、「気晴らしばかりでは終わらない」とか、耳が痛い言葉が並びます。
このHP作成もそうだし、身近な所だと、洗濯を干すとか、今晩のご飯の準備だってそう(汗)。
「自分という体を操縦できるのは自分だけ」
やることって、次から次へと出てくる波のようだけど、流されるんじゃなくて、自分から泳ぎ続けないと、私が行きたい島にはたどり着けない。
挑戦し続けることが大切、頷けます。
ポイント② 過去の失敗は関係ない(アドラー)
アドラーの言葉:どんな経験もその意味を決めるのは自分!
出典:『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉』p34
➡失敗も成功も、経験の一つ。一回失敗したからといって、次の失敗が決まっているわけではない。
エジソンの例が本文中に紹介されているけれど、エジソンは何百回失敗しても、「失敗」とは考えずに、「失敗する方法を発見した」と考えたそう。
失敗したか、成功したかを決めるのも、実は自分次第ということ。
アドラーの言葉:臆病になるのはやめる!勇気ある人だけがよい結果をえることができる!
出典:『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉』p36
➡訳した齋藤さんの言葉を借りると、「恥ずかしがり屋は損をする」ということ。
私がさらに自分流解釈を加えると、恥ずかしがっていると、なかなか行動が起こせない。そうなると誰にも伝わらないし、何か問題に直面しても逃げたくもなる。逃げる自分に落ち込んでしまうこともあるかもしれない。自分を好きになれない可能性が高い。逆に、行動を起こせる勇気があれば、何かを変えられるかもしれない!
「失敗した~」と思うと、次の行動するのが怖くなる人って多いと思います。
でも、プラスに考えて行動に起こせる「勇気ある人」になりたいと意識しています。
ポイント③ すべては自分しだい(アドラー)
アドラーの言葉:人生の意味を決めるのは自分自身だ!
出典:『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉』p46
➡「人は様々なことに意味付けする生き物」だというアドラーは、自分の人生の意味だって、自分でプラスにすることだってできると考える。「楽しい」「幸せ」だと思えばそうなる。
アドラーの言葉:一つのことに自信が持てたら、ほかのこともやる気が起きる!
出典:『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉』p48
➡まずは、一つやり遂げてみること。特に、好きな物や得意なものが何かをやろうというエネルギーを生み出してくれると考えるようです。
他の誰でもない、自分に自信を持ちたいときは、好きなものをどんどん極めるのが近道なのかもしれません。
自分のことは、「すべて自分次第」。好きな事になら、やってみる勇気を持てそうな気がします!
ポイント④ 人と協力しあう(アドラー)
アドラーの言葉:協力する気持ちがあれば、どんなこともうまくいく!
出典:『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉』p56
➡人は一人では生きられない。周囲に協力することで自分も人や社会に貢献できることを知り、それがまた自分の自信にも、幸せにもつながる。
アドラーの言葉:人生における大きな課題は、友人、仕事、愛の3つである!
出典:『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉』p64
➡アドラーは、人が生きている間に直面する全ての問題は、「友人」「仕事」「愛」のどれかに関わることで、これをうまく解決できれば問題も解決すると考えた。
アドラーは、「人付き合い」もキーワードに考えていたようです。
問題もだけど、幸せもここにあるかもしれません。
私は、時には問題から逃げることも大事だと思っています。
でも、逃げ続けると、幸せからも離れていってしまうかもしれません。
どこかで「勇気を出して気持ちを切り替える」。
アドラーは、きっとそんな人の背中を押そうとしたように思えます。
ポイント⑤ しっかりと前を向く(アドラー)
アドラーの言葉:目標に向かって努力した先に、未来が広がっている!
出典:『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉』p68
➡アドラーの言葉を訳した齋藤さんによると、「アドラーは、未来は、努力や目標に結び付き、過去は、劣等生や能力がない状態と結びついている」としているようす。
たしかに過去は変えられない。でも、未来はまだどんな風にも変えられる世界。
ネガティブな思考ではなく、未来に向かって進んでいきたいものですね。
アドラーの言葉:今生きているこの世界に自分の「居場所」があると思えたら、心から安心できる!
出典:『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉』p76
➡「3つの課題(友人、仕事、愛)をクリアして、社会貢献ができれば、自分に自信をもつことも、安心できる自分の居場所もできる」としている。
「自分の居場所」があれば、心は落ち着きます。
それは、幸せに直結することでしょう。
過去は変えられないけど、未来は変えられます。
その未来が、自分にとって幸せなものになるように、アクションを起こしていきたいですね。
まとめ
『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉』 をまとめます。
・アドラーは、精神科医でもあり心理学者でもありました。
・生涯をかけて「どうしたら人は幸せに生きられるか」を考えた人です。
・この本の著者、斎藤さんが小学生でも理解しやすいように、アドラーが残した言葉を超訳したものです。
・本の中で、斎藤さんは、「こどもアドラー」の5つのポイントを紹介しています。
①チャレンジし続ける。➡自分で限界を作らず、勇気をもって行動を始めること。
②過去の失敗は関係ない。➡失敗も経験の一つ過ぎない。その次は成功するかもしれないと考える。
③すべては自分次第。➡1つの事ができたら自分が好きになり自信が持てる。人生の意味付けは自分次第。
④人と協力しあう。➡人づきあいは、問題にもなりうるけど、貢献できる自分を発見したり、問題解決につながりうる。
⑤しっかりと前を向く ➡未来を向いて、努力して、自分の居場所や自信を手に入れてほしい。
つまり、私の解釈も加えると、「幸せな未来」のためには
➡勇気をもって、ネガティブな考えを改めて、行動を起こすこと
➡そんな短所も長所も含めて、自分を好きになること
➡自分をもっと好きになるために、自分に自信を持つこと
➡自信をもつために何か好きな事を1つ目標に定めてやり遂げること。
➡1つやり遂げると、他の事にもやる気が起きて、プラスの力が働くこと
➡ 「3つの課題(友人、仕事、愛)」をクリア すること
➡そして、他人や社会に貢献すること
➡自分がだれかの役に立っていることを自覚すること
すると、より、自分を好きになり、自信を持ち、自分の居場所もできて、未来が幸せなものになる。
ということかなと思います。
いかがでしょうか?
賛同・反対色々あるかもしれませんが、自分の考えを深める1冊を紹介できたなら嬉しいです。
本の中ではもっと事例や解釈が載っています。
興味ある方は、手にとって読んでみてくださいね。
トピック関連の本紹介『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉 』~小学生向けに書かれた「幸せな生き方」の解説書
タイトル: 『自分で決められる人になる!超訳こども アドラーの言葉 』
内容:精神科医&心理学者アドラーが辿り着いた「幸せな生き方」について、教育学者の齋藤孝さんが小学生用に超訳した本。5つのポイントを5章に分けて書いています。具体的内容はこの記事本編にて紹介します。
特に読んでほしい人:
・自分を変えたい人
・ポジティブ思考になりたい人
難しい言葉は省いて、学校や友人関係など、身近なところを例に出しながら解説してくれています。
多くの小学生には、「最初に出会うアドラー哲学の本」かもしれません。
個人的には、多感な時期、4年生以上におススメします。