東京都内にある上野動物公園、多摩動物公園、羽村市動物公園は、3児子育て中のわが家もそれぞれ何度も訪れている大好きな動物園です。
そんな実在する身近な3つの動物園(上野、多摩、羽村市)にもそれぞれを舞台にした絵本があるんですよ(^^)!
今回、この3つの動物園で実際にあった話(実話)や動物園飼育員さんの努力、動物園展示の工夫などを中心に、絵本や関連本を探して集めてみました。
上野動物公園の絵本や児童書など飼育関連本
日本最初の動物園として有名なのが上野動物公園です。
上野動物公園(東京)が舞台になった絵本など、上野動物公園関連の絵本を集めました。飼育員の仕事も垣間見えるものも多数ありますよ。
とことこシャンシャン おでかけミニ絵本(絵本・0歳頃~)
・2018年6月発行
・持ち運びしやすい「おでかけミニ絵本」
・上野動物園で生まれた赤ちゃんパンダ「シャンシャン」の可愛い写真が多数
2017年6月、上野動物園に生まれた赤ちゃんの赤ちゃんパンダがトコトコ歩いたり、木登りでやんちゃな一面を見せたりと愛らしいしぐさの写真がいっぱい!パンダ好きはもちろん、愛らしい姿に癒されます(^^)
子パンダシャンシャン成長日記(絵本・3歳頃~)
・2018年5月発行
・シャンシャンが生まれてから1歳直前(297日目)までの様子を写真絵本で紹介
・上野動物園パンダ舎の紹介、各ページに豆知識、巻末にパンダトリビアや身長体重変化グラフ、ポスター(四つ折り、約38㎝×40㎝)あり
2017年6月に生まれたパンダ「シャンシャン」の成長日記です。上のおでかけ絵本より大きめサイズで、各ページに3枚~4枚の写真とともに、当日、20日目、40日目、80日目、120日目など1歳直前までのシャンシャンの成長が分かります。
ぼくたちハダカデバネズミ(絵本・3歳頃~)
・2019年4月発行
・家族で役割分業して地下に長い巣穴をつくる「ハダカデバネズミ」の話。
巻末の「デバデバニュース」でハダカデバネズミの写真や特徴を紹介。
・上野動物園で飼育中
ハダカデバネズミのデバッチは、長い地下トンネル(時には2,3キロメートルになるといわれる)で家族と暮らす子どもです。家や家族の役割分業を紹介しながら、デバッチ自身も自分のやりたい仕事を見つける話です。
したのどうぶつえん(絵本・4歳頃~)
・2008年5月
・動物名の言葉遊び絵本/ギャグ絵本
「のこぎり」と「きりん」を掛け合わせて「のこぎりん」。「ぞう」と「掃除機」で「ぞうじき」。「フタコブラクダ」のこぶが「ブタ」になって「ぶたこぶらくだ」など動物の名前で言葉遊びをして、それに合った動物の絵がこれでもかと登場します。
かわいそうなゾウ(絵本・5歳頃~大人)
・1970年8月発行(長く読み続けられている絵本です)
・戦争中、上野動物園で実際にあった「ゾウ」の話(実話)
・後述する『そして、トンキーもしんだ』とは少し角度が違い、『かわいそうなぞう』は、平和な時代の動物園と戦時中の動物園を比較。園内の慰霊碑を眺めながら、関係者が語ってくれる「戦時中、ゾウを殺さなければならなかった飼育員とゾウ達」中心の話。
戦時中の上野動物園では、「爆弾が落ちてきて、檻が壊されて動物が暴れたら大変だから」とゾウを含めた猛獣を殺すことが決まりました。毒入りの餌であることを察知し食べなかった賢い3匹のゾウを餓死させなくてはいけなかった飼育員の苦しい葛藤と戦争への怒り、くやしさがにじみ出ている絵本です。
そして、トンキーもしんだ(絵本・5歳頃~大人)
・1982年11月発行(長く読み続けられている絵本です)
・戦争中、上野動物園で実際にあった「ゾウ」の話(実話)
・前述した『かわいそうなぞう』とは少し角度が違い、『そして、トンキーもしんだ』は、戦時中の動物園に下った東京都庁からの猛獣抹殺命令の経緯など「ゾウと飼育員のほか、政府とのやりとり」中心の話。
1943(昭和18)年8月、戦時中の上野動物園に下った突然の猛獣抹殺命令は、ゾウを含めたライオン等の猛獣を8月中に殺せというものでした。それは、戦時中でも畑を作るなどして動物を生かそうと奮闘してきた飼育員たちにとても残酷な命令。頭の良いトンキー達は、どんなにお腹を空かせても毒入りの餌は食べません。日に日に弱弱しくなっていくゾウ達の生きようとする姿勢と飼育員との関係、戦争を考えさせられる実話絵本です。
\絵本の元になったのはNHK特集のビデオ/
多摩動物公園の絵本や児童書など飼育関連本
多摩動物公園に由来した絵本や児童書、動物関連本も複数出版されています。
ともだちをたすけたゾウ(絵本・4歳頃~)
・2002年5月発行
・多摩動物公園のインドゾウ、アヌーラが病気になったとき支えたゾウ同士の絆の実話
ある日、多摩動物公園のインドゾウ、アヌーラが病気になりましたが、薬入りの餌も食べず、飼育員や獣医さんんは困っていました。横になってしまうとその体重の重みから動けなくなるかもしれないゾウのアヌーラは夜も壁に寄りかかって立ちっぱなしです。そんなアヌーラをなんと2頭の象が両サイドから何日も何日も支えるようになりました。
キノコを育てるアリ(飼育員の科学絵本・5歳頃~大人)
・2007年2月発行
・ハキリアリ採取から、多摩動物公園で展示するまで、そして展示中の工夫や飼育員の想いが分かる科学絵本
・多摩動物公園昆虫園本館で展示あり
南米ペルーでのハキリアリ採取の手続き、様子、そして、ハキリアリの飼育展示の工夫やハキリアリによる植物の葉の好き嫌い実験結果などが詰まった写真たっぷりの科学絵本。
オランウータンのジプシー(児童書・小学校中学年~大人)
・2008年9月発行
・オランウータンのおばあちゃん、ジプシーを中心とした実話。
・ふりがなあり。小学校中学年くらいから読める本。冒頭にオランウータン家族の写真と名前、特徴紹介あり
オランウータンの飼育展示場を新しくするための引越し、環境エンリッチメント(飼育動物が幸せに暮らせるように考える運動)による展示施設の工夫、オランウータンのスカイウォーク設備導入への挑戦など、動物園飼育員たちの思惑を察したかのうように、誰よりも真っ先に協力してくれたオランウータンのおばあちゃん(ジプシー)の実話記録。
人として大切なことはチンパンジーが教えてくれる(一般書・小学校高学年~大人)
・2011年8月発行
・ふりがな無し。多摩動物公園のチンパンジーの記録(実話)
・チンパンジーの育児放棄、人工飼育、そして社会性が垣間見える本
多摩動物公園ではチンパンジー飼育が始まってから50年の間に72頭が誕生しました。人工飼育が必要だったのは10例で、うち5例は育児放棄が原因でした。ジンも母の育児放棄が原因で人工飼育をしましたが、なるべく早く群れに戻すため奮闘する飼育員の取り組みと、養母サザエとの関わり、ジンを群れに溶け込ませようとするサザエの頑張りが胸を打つ一冊です。
飼育係が見た動物のヒミツ51(一般書・小学校高学年~大人)
・2008年4月発行。多摩動物公園が著者
・ライオン、コアラ、ペリカン、ワライカワセミ、マレーバグなど51種類の動物の特性や飼育上の話が分かる
・コラムでは、環境エンリッチメントや動物の運び方、大型動物が死亡したとき、飼育担当の決め方なども紹介
「ライオン」の子育てにおいて最大の難関は群れ入れ。実際にどのように行うか、過去にどういう事故があったかなど各動物について数ページずつまとめられています。
羽村市動物公園の絵本や児童書等飼育関連本
羽村市動物公園に由来した絵本や、動物園関連本も出版されています。
あかりちゃんのつうがくろ(絵本・4歳頃~)
・2017年3月発行
・羽村市動物公園に隣接する小学校
・巻末に羽村市動物公園の園内マップあり
4月から、羽村市動物公園に隣接する小学校に通うことになっているあかりちゃんは、なかよしの動物公園の園長さんに頼んで、通学路として園内を通れるようにお願いします。動物園では、展示している動物が登場するおとぎ話の世界を飼育小屋に作っていることもあり、楽しい動物園。そして、それは実現しました!
他にも、子ども心をくすぐる展示がたくさんある動物園です。たとえば、ヤギ展示を「7匹の子ヤギ」風にしたりとアットホームな動物園だと思います。
小さな動物公園のアイデア園長 羽村市動物公園物語(一般書・小学校中学年~大人)
・2008年12月発行。ふりがなあり。
・羽村市立動物園に一般公募で就任した元会社員・赤尾園長の奮闘の実話
・羽村市立動物園の立て直しや工夫が分かる一冊
「羽村市立動物園で園長さん募集中」、動物園を活性化する新鮮なアイデアを取り込むべく、全国でも珍しい公募での園長募集がありました。動物好きでしたが、元大手住宅会社の営業部長をし、定年後も顧問として働いていた60歳の赤尾さんが羽村市立動物園に採用されるまで、そして採用後に羽村動物園で工夫して実現してきたアイデアなど5年間の奮闘が分かります。
前述の『あかりちゃんのつうがくろ』と併せて読むと、動物公園の姿勢もよく分かります(^^)
動物園飼育員の仕事やなり方が分かる絵本
動物園飼育員になりたい子もいるでしょう。動物園飼育員の仕事や内容、なり方について触れている本、資料を少し紹介します。
動物園飼育員・水族館飼育員になるには
・2017年1月発行
・動物園飼育員、水族館飼育員の違いや仕事、飼育員のなり方を紹介
動物園飼育員や水族館飼育員に求められるのは、生き物のお世話だけではありません。種の保存や生態研究なども仕事になります。具体的にそれぞれの飼育員の仕事や養成課程について触れられている一冊です。
もっと知りたい動物園と水族館 延長のはなし、飼育係のしごと
・2019年6月発行
・動物園と水族館についての面白数字や疑問、飼育員の仕事などが分かりやすい
「動物はなぜ逃げないのか」「どうやって移動させるのか」「水族館のサメは同じ水槽の魚を食べないの?」そんな疑問にも答えてくれる1冊。
動物園のひみつ
・2014年1月発行
・小学生はもちろん、内容は5歳児くらいから大人まで楽しめる資料本
・日高市かみね動物園の実例を中心に、展示の工夫や飼育員の仕事が分かりやすい
「動物園の動物達」「動物園で働く人たち」「動物園で生まれて育つ命」の3章で出来ています。動物園での動物展示の配置、動物達の運動場の向きや配置の工夫、モート(檻や柵ではなく、堀を利用して自然っぽさを演出する展示方法)について書かれていたり、ライオンなど猛獣飼育員の話や、飼育員になった経緯なども紹介されています。
動物園のあり方を考えさせられる本
「動物園にいる動物は幸せなのか」
動物園のあり方を考えさせられる本を1冊紹介します。
しあわせな動物園
・2014年4月発行
・小学校中学年から読める児童書。ふりがな付き
・芸を仕込まれるなかで虐待死したゾウの悲劇の実話を織り交ぜた動物園飼育員とハツカネズミの動物園ファンタジー
2001年、動物園で飼育されていたアフリカゾウ、ピコは調教師からの過酷な仕打ちで虐待死したという報道がありました(実話)。物語の中では、この実話をもとに、人間とともに暮らす動物園の生き物たちが、せめてなるべく快適に暮らせるよう、奮闘する新米飼育員カトちゃんと、人や動物と会話ができるハツカネズミの奮闘ファンタジーです。
動物園の動物が主人公!教科書にも一部載った懐かしい児童書(どうぶつえんのいっしゅうかん)
動物園で暮らす動物達が主人公の話でユーモアあふれる児童書を紹介します。。
どうぶつえんのいっしゅうかん
・1988年7月発行
・動物園の7日間(1週間)が詰まった短編物語集
・小学校国語の教科書にも掲載されていた話あり
夢を食べてしまうバグの話、なんでも3度言うフラミンゴたちの話、来園者に「ガオー」とサービスしすぎて声が出なくなってしまったライオンの話などユニークな動物達の全8話。
動物園選びの参考ガイド
動物園もたくさんありますが、飼育されている動物も違いますし、それぞれ注目してほしい動物や展示方法も違ったりします。
動物園&水族館ベストランキング 最新版
・2019年9月発行
・全国の動物園と水族館の推しをランキングで紹介
「大人気の生き物ベスト30種」「希少動物10種」など様々な面から全国の動物園と水族館を調査しています。
動物園に持っていきたい絵本 0歳、1歳、2歳、3歳、4歳、5歳(どうぶつあんない、そのた写真本)
わが家は動物園に絵本を持っていきます。
特に、0歳、1歳、2歳頃は毎回持参し、実際の動物を目でみながら、絵本と見比べて園内を歩いていました。
私がおすすめする絵本を紹介します。
こども百科ミニ どうぶつ(動物絵本・0歳~5歳向け)
・2019年3月発行
・「そうげん」「もり、はやし」「うみ」「つのじまん」など分野ごとに動物名と写真、1,2言の説明をあり
・カタカナにもふりがなあり。幼児向けお出かけサイズの絵本
100種類を超える動物の写真と一言紹介文が各ページで上下に分かりやすく掲載されて、名前と特徴を一目で一致させやすくなっています。見開きページで、8~10種ほど掲載されています。
はじめてのどうぶつずかん どうぶつな~に?(動物絵本・2歳~6歳向け)
・2018年3月発行
・各動物の写真と紹介文のほか、英語での綴り方や英語発音のカタカナ表記あり
動物の名前や英語名が目立つようになっていますが、写真の脇には2文ほどの特徴紹介も載っています。英語名やその読み方、強調する音もわかるようになっているため、英語も併せて勉強したい人には良い一冊です。見開きページで、14~16種ほど掲載されています。
どうぶつえんのどうぶつあんない(動物絵本・3歳~小学生向け、大人もOK!)
・1985年7月(長く読み続けられている絵本です)
・特徴が分かりやすい絵から伸びる線で、身体的な特徴や生態特徴を紹介
動物園にいることが多い動物を1種類ずつ詳しく知ることができる絵本。「ライオンのしっぽは、子どもをあやしたり、草むらでの目印に使われる」「レッサーパンダの足の裏の毛は木登りする際の滑り止めになる」など、トリビア要素も満載。
まとめ
実在する動物園の絵本や飼育員の絵本など関連するものを紹介してきましたが、あらためてこの記事をまとめるにあたり絵本や本を読んでみて、また動物園に行きたくなりました(笑)!
今回は東京都内の上野動物公園、多摩動物公園、羽村市動物公園に関係する絵本等を中心に紹介しましたが、他の動物園でも本や映画になっているものがあります!探してみてくださいね!
子どもと行く動物園が、もっともっと楽しいものになりますように!