「絵本の読み聞かせは良い」と言われていますが、どんな本を選んで読めばいいでしょうか?
今回は、絵本選びの2つのポイントと、年齢別発達度合い(0~小学校低学年)から考える絵本の特徴を、絵本が大好きな、保育士資格を持つ3児の母がお伝えします。
国内出版される絵本は毎年1,400冊以上!
まず、毎年どれくらいの絵本が日本国内で出版されているか知っていますか?
国立国会図書館の国際こども図書館に蔵書として保管された絵本(科学・技術のテーマは別統計で、いわゆる一般的な「絵本」のみ)だけでも2014~2017年は毎年約1,400~1,500冊あるそうです。
その膨大な絵本の中から、絵本を選ぶのはそもそも至難の業です。今回は、最低限知っておいてほしい、自分の子どもにぴったりの絵本を選ぶコツを紹介します。
絵本の選び方のポイントは2つのみ!
結論から言わせていただきます!
【1つ目のポイント】:年齢別発達に合った絵本!
【2つ目のポイント】:子どもか大人が興味を持った本!(絵に惹かれたり、面白そうだったり、理由は様々)
いろんな人がいろんなことを言っているとは思いますが、私はコレしかないと思います!
では、どういう意味か、具体的に書いてみますね。
絵本の選び方ポイント①「子どもの年齢別発達に合った絵本」とは?
いくら面白そうな本でも、4,5歳向けの絵本を0歳に読んでも興味は持ってもらえません。
また逆に小学校に入った子に1、2歳向けの本を読んでも「面白くない」とそっぽを向かれてしまうでしょう。
「絵本」と関わりを持つことが多い、0歳~小学校低学年くらいまでの子どもの1年の成長の差は本当に大きいです。
そして、年齢だけではなく、同じ年齢でも個人差もあります。
心身ともに、そして言語能力も大きく成長する数年間なので、すべての年齢の子どもが同じの絵本で楽しむのは難しいこともあります。
そこで、それぞれの年齢別、個々に異なる発達状況に合わせて、絵本を選んでいくことが大切です。
年齢別絵本の選び方【0歳児】 発達から考えるおすすめ絵本の特徴
0歳の赤ちゃんの身体の発達と、0歳児に読み聞かせたいおすすめの絵本の特徴を解説します。
0歳児の発達と絵本
なんでも口にもっていったり、手を伸ばしたりする時期です。
絵本については、「パパやママが楽しそうな声で笑って読んでくれているこれは何だろう?」というところから興味を持ち始めてくれます。
子どもにとって「絵本が楽しいもの」になるように、絵本の読み聞かせする時間を楽しめる雰囲気をつくってスキンシップやアイコンタクトをしながら読んであげてほしいなと思います。
生まれたばかりの頃はまだ見えていない目も、生後数週間で「赤」を認識し、徐々に「黒」「白」「グレー」が分かるようになってきます。
色については、生後3か月くらいで分かるようになるそうです(参照)。
あとは、動くものや、人の顔のように「目(のようなもの含む)」があるものを好んでよく見るそうですよ。
(人の顔のように目があるものを追うのは、生まれたばかりの何もできない赤ちゃんが、パパやママに助けてもらうための生存本能、なんて聞いたこともあります。)
0歳児絵本の選び方【発達から考えて読み聞かせたい絵本の特徴】
0歳のこんな年齢別の発達を踏まえて読み聞かせたい絵本の特徴はズバリこんな絵本です。
・色彩がはっきりしたもの
・繰り返しのことばが多く楽しめるもの
・単純なもの(ストーリー性のあるものというよりは、個々のページである意味区切りがつくものが好きな傾向あり)
・絵本の角が丸くて、ページも厚紙のものも◎(なめたり、破られたりしやすいため)
ただ、この時期は、そんな絵本との関わりを持つだけでもいいと思っています(^^)気楽に考えて大丈夫!
0歳児に人気のある絵本
0歳児に人気がある絵本にはこんなものがあります。
年齢別絵本の選び方【1歳児】 発達から考えるおすすめ絵本の特徴
1歳の子どもの発達と、発達にそった読み聞かせたいおすすめの絵本の特徴を解説します。
1歳児の発達と絵本
1歳は、この一年の間に、ほぼ何も話せなったところから、「パパ」「ママ」「ワンワン」「ブーブ」「カワイイ」「コレ ナニ?」など、単語から二語文まで口から出てくるようになる時期です。
絵本をつまんだり、めくったり、指差しができるようになってきます。
笑ったり、不安そうな顔になったり、表情もでてくるこの時期。
絵本の読み聞かせは楽しくなってきます。
1歳児絵本の選び方【発達から考えて読み聞かせたい絵本の特徴】
1歳のこんな年齢別の発達を踏まえて読み聞かせたい絵本の特徴はズバリこんな絵本です。
・身の回りにあるものの名前や特徴を少し紹介してくれるようなもの
・ストーリー性のあるものは、まだ少し難しいものもあるかも。
・興味があると手を伸ばしてくるので、読み止まりながら、親子で楽しめそうなもの
・特に1歳前半までは、絵本の角が丸くて、ページも厚紙のものも◎ (なめたり、破られたりしやすいため)
子どもも自分から指差しをして、教えてほしいものや、大人と話したいものについてなんども絵を指差ししたりします。
表情が知的好奇心でいっぱいなはず!絵本を使って一緒に楽しんじゃいましょう!
1歳児に人気のある絵本
1歳児に人気がある絵本にはこんなものがあります。
年齢別絵本の選び方【2歳児】 発達から考えるおすすめ絵本の特徴
2歳の子どもの発達と、発達にそった読み聞かせたいおすすめの絵本の特徴を解説します。
2歳児の発達と絵本
2歳は、語彙がどんどん増えて、発音が明確になってきます。
話せる言葉も2語文だけではなく、どんどん長くなってきて、自分だけではない他人とのやり取りができるようになってきます。
2歳児のこの時期は、なんでも「自分でやってみたい」という気持ちが少しずつ芽生えてきます。
絵本の読みきかせの時も、どんどんページをめくってみたり、「絵本を順番通りに読もうとする親の意図」に反することをしてくるとは思います。
「順番通りに読みたい」というパパやママの気持ちはとてもよくわかるのですが、子どもは、せっかく絵本に興味をもってページをめくってくれていることを「喜んで」、「ここのページが良かったのね。
あら、ここの絵は●●ねぇ」というように、順番通りにこだわらず、飛ばされた先のページを一緒に読んで、絵本の楽しさを共有してあげてくださいね。
2歳児絵本の選び方【発達から考えて読み聞かせたい絵本の特徴】
2歳のこんな年齢別の発達を踏まえて読み聞かせたい絵本の特徴はズバリこんな絵本です。
・自分の生活環境でよく見聞きするもの、動物、食べ物など、実際に見聞きして子どもが親しみやすいもの
・物の名前だけでは物足りなくなってくるので、多少ストーリーのあるもの
・集中力は子どもそれぞれ。ストーリー性がある絵本は、大体3分くらいで読める本が目安(私の感覚)
・「子ども自身がよんでほしい本」が出てくる時期。お気に入りの物が登場する絵本などをどんどん読んで読み聞かせ絵本に取り入れよう!
2歳児に人気のある絵本
2歳児に人気がある絵本にはこんなものがあります。
年齢別絵本の選び方【3歳児】 発達から考えるおすすめ絵本の特徴
3歳の子どもの発達と、発達にそった読み聞かせたいおすすめの絵本の特徴を解説します。
3歳児の発達と絵本
話し言葉に慣れてきて、たくさん質問をしてくるようになります。
一方的な話だけでなく、相手の話にも少し耳をかたむけられるようになり、友達とのかかわりが増えてきます。
食事や排せつ、着替えなども「自分でやってみたい」と挑戦し、徐々にできるようになってきますが、まだ思い通りにいかないことも多く、サポートは必要です。
経験したことをごっこ遊びしたり、料理の真似など大人の真似っこが大好きです。
友達と同じ遊びをするようになりますが、まだ同じ遊びを別々にしています(平行遊び)。
絵本は、子どもが子ども自身と照らし合わせて状況を想像しやすい、ストーリーのあるものをしっかり聞けるようになっていきます。
3歳児絵本の選び方【発達から考えて読み聞かせたい絵本の特徴】
3歳のこんな年齢別の発達を踏まえて読み聞かせたい絵本の特徴はズバリこんな絵本です。
・ストーリーのある絵本
・少し集中して聞くようになるけれど、5分くらいでは読める本が目安(私の感覚)
・「おなら」「うんち」など、普段は大人が言わないようなこと(しつけを除いて)を書いている本など、ちょっと笑っちゃう面白い本は大好きな傾向があります
・昔話や名作にも挑戦できます
・好きなものに関しては、図鑑
3歳児に人気のある絵本
3歳児に人気がある絵本にはこんなものがあります。
年齢別絵本の選び方【4歳児】 発達から考えるおすすめ絵本の特徴
4歳の子どもの発達と、発達にそった読み聞かせたいおすすめの絵本の特徴を解説します。
4歳児の発達と絵本
自分の気持ちを言葉にして相手に伝え、相手の気持ちを聞けることが増えてきます。
周囲の友達のことも意識し、ある程度ルールにそって遊んだり、集団遊びができるようになってくるころです。
喧嘩も増えますが、少し我慢もできるようになってきます。
自然の中のもので様々な物の特徴をとらえたり、想像力が豊かになってきます。
文字に興味を持ち始め、かんたんな絵本を読んでくれる子も出てきます。
4歳児絵本の選び方【発達から考えて読み聞かせたい絵本の特徴】
4歳のこんな年齢別の発達を踏まえて読み聞かせたい絵本の特徴はズバリこんな絵本です。
・ストーリーのある絵本
・友達とのやりとりがある絵本
・面白い、ちょっと怖い、想像力を膨らませながら読む絵本
・主人公の年齢が同じくらいの絵本
・昔話や名作にも挑戦(ただし、端折られすぎていて気になるものもあるので注意)
・絵で遊べるような絵本
・身の回りの生活や自然のことを知れる絵本や図鑑
4歳児に人気のある絵本
4歳児に人気がある絵本にはこんなものがあります。
年齢別絵本の選び方【5歳・6歳児】 発達から考えるおすすめ絵本の特徴
5歳・6歳の子どもの発達と、発達にそった読み聞かせたいおすすめの絵本の特徴を解説します。
5歳・6歳の発達と絵本
基本的な生活習慣が身に付き、体力もついてきます。言葉による共通のイメージを膨らませることができるようになり、集団遊びでも自分たちでルールをつくったりするようになるころです。
相手の気持ちを考えて自分の行動を変えたり、絵本に限らず、文字を使って遊んだりするようになります。
5歳・6歳児絵本の選び方【発達から考えて読み聞かせたい絵本の特徴】
5歳・6歳のこんな年齢別の発達を踏まえて読み聞かせたい絵本の特徴はズバリこんな絵本です。
・ストーリーのある絵本(長めの絵本や児童書でも聞けるようになってくる)
・友達や先生、周囲の人とのやりとりがかかれた絵本
・謎解き、しかけがある絵本
・ことば遊びをするような絵本
・少し大人が営む実社会(郵便屋さんやレストラン等)の要素を取り入れながら、子どもらしい遊び心がある絵本
・図鑑や工作などの説明を読み取る必要がある絵本
物事のルールを客観的に理解しはじめる年齢です。
子どものペースや好みはもちろん最重視しながら、図鑑や工作本(あやとりや折り紙の説明本)等を通して、考え方ややり方を説明する力を養いはじめても良さそうです(^^)。
5歳・6歳児に人気のある絵本
5歳・6歳児に人気がある絵本にはこんなものがあります。
年齢別絵本の選び方【小学校低学年】 発達から考えるおすすめ絵本の特徴
小学校低学年の子どもの発達と、発達にそった読み聞かせたいおすすめの絵本の特徴を解説します。
小学校低学年の発達と絵本
小学校で本格的に文字を習い始め、文字を通して、「順序立てて考える力や感じたり想像する力」を養います。
自分の考えや思いを言葉にし、伝えられる力を高めていきます。
いわゆる「絵本」から「児童書」に移行していく時期ですが、まだまだ読める本もたくさんあります。
自分で読めるようにもなってくるけれど、絵や想像に集中できる「読みきかせ」も大好きで、絵本や児童書の楽しみ方も色々です。
小学校低学年の絵本の選び方【発達から考えて読み聞かせたい絵本の特徴】
小学校低学年のこんな年齢別の発達を踏まえて読み聞かせたい絵本の特徴はズバリこんな絵本です。
・子どもが興味を持ったテーマのもの
・小学校に上がっての、不安や期待を代弁するような絵本
・絵だけではなくて、文章からも状況を想像して楽しむ本
・空想の世界の話
・図鑑や工作などの絵本
(参照:「保育所保育指針解説書」「小学校学習指導要領解説」)
小学校低学年に人気のある絵本
小学校低学年に人気がある絵本にはこんなものがあります。
絵本の選び方 ポイント② :子どもか大人が興味を持った絵本を選ぼう
「え、なにそれ?(笑)」なんて声もあるかもしれません。
これは、絵本選びの大前提の一つです。
でも、読み手か聞き手が、楽しそう、面白そう、絵が魅力的、これ読みたいという気持ちがないと、読まなきゃという義務感だけになってしまいます。
理由は様々ですが、選びたい絵本が、絵本選びのポイント1つ目として紹介した「子どもの年齢や発達に合ったの絵本」なのでであれば、
絵本を選ぶ「大人」または、子どもが少し大きくなってきたときは「子ども本人」が興味をもった本が一番いま読むのにふさわしい本です。
やはり子どもの発達や年齢とかけ離れていては、せっかくの絵本が子どもの心に残りにくくなってしまいます。
そのため、ポイント①の子ども自身の発達は踏まえた上で、絵本を与えたい大人や、子ども本人が興味をもった絵本が絵本選びのベストチョイスだと私は思っています。
後述するように、「長くの愛されてきた名作」だとか「絵本の絵がしっかりしたもの」だとか、「最近話題になっている本」だとか色々と選びたい絵本もあると思います。それぞれ良さはあるでしょう。
でも、その時のその人の興味だったり、気持ちがそこにないと、読んでも全然面白くないんです。
読みたくも(聞きたくも)ないかもしれません。
私は、そう信じています!(真顔)
これは、小説や文庫本等でも言えることですが、大人でも、「あ、今この本は読みたくないな。」と心が全く乗り気にならない本はないでしょうか。
中学・高校生時代の指定された課題図書の読書は、楽しかったですか?
読みたくない気分のとき、なにを読んでも乗り気にならないし、ページは進まないし、響きにくいです。
ただ、時期がきたら、スッと読めることがあるんですよ!
私の場合は、夏目漱石の『吾輩はねこである』でした(汗)。いや、名作といわれていますが、数ページ読んだだけで何年もなんだかページが進まずに読めなかった…。それが、ふとした時に手にとって、す~っと読めた経験があります。
読み聞かせたい絵本の選び方
とは、いったものの、やはり人気のある選び方もあります。
いくつか紹介します。
読み聞かせたい絵本①:長く愛されている絵本を選ぶ
冒頭で触れたように、多くの本が出版されては、長く読み継がれることもなく絶版になり消えてしまっていく現状があります。
そんな中、昔からある本は、多くの大人からの一定以上の支持がある本と考えることができます。
一時期話題になったとしても、ずっと支持されるものになるかは分かりません。
自分自身が子どものころから「あ~、これあったなぁ」と気になる本があれば一度手にとってみてはいかがでしょうか。
当時とは違った視点で、絵本を読むことができるかもしれません。
読み聞かせたい絵本②: 絵が気に入った絵本を選ぶ
絵本の醍醐味は、なんといっても絵があること。
しかも「読み聞かせ」をするような年齢の子ども達は、絵を中心に見て、耳で聞きながら、想像を膨らませて絵本を楽しみます。
そんな絵が、しっかりと物語を語ってくれているものは人気があります。
また、絵についても、昔ながらの絵本の絵から、最近のアニメチックな絵まで様々です。
「絵が気に入ったものから入る」というのも一つの選び方です。
読み聞かせたい絵本③:ランキングや話題作になっている絵本を選ぶ
おススメ絵本のランキングもたくさんありますし、新しい絵本で著名人が描いたりして話題作になっている絵本もあります。
こういうところから絵本を選ぶのもありでしょう。
読み聞かせたい絵本④:好きな作者や挿絵家、翻訳者などで選ぶ
気に入った絵本作家や、翻訳者などがいれば、ここから絵本を広げていくのもいいでしょう。
読み聞かせたい絵本⑤:内容や口コミから選ぶ
事前に読んだことのある絵本なら、選んだ本の内容が分かります。
また、まだ読んだことのない絵本でも、タイトルは勿論、絵本作家や翻訳者などから、内容や書き方、傾向をある程度推測することができるでしょう。口コミを参考にすることもあるかもしれません。
子どもに読ませたい本などを、主に大人が選ぶ時に使います。
この⑤「内容から選ぶ」は、私が自分の子育てで取り入れているところでもあります。
このブログでも紹介していくので、楽しみにしていてくださいね☆
まとめ
絵本の選び方として、私がおすすめするのは、「子どもの年齢別発達度合いを踏まえた絵本を選ぶこと」、そして「親か子どもが興味をもった絵本を選ぶこと」の2点です。
絵本選びを含めて、親子で絵本を楽しみたいですね(^^)