妊娠中にMRIを受けることになった理由
私が末っ子を妊娠中、妊娠7か月の時に低置胎盤の可能性を指摘されて、MRI検査を受けることになりました。
え、低置胎盤ってなに?妊娠中なのにMRI??
「低置胎盤」とは一体何でしょうか。
低置胎盤とは、子宮内のどこに胎盤ができたかという位置の問題であり、内子宮口から2cm以内の部分に胎盤ができてしまった場合を指します。痛みがなく、特にこれといった自覚症状もないことから、低置胎盤は妊婦健診で見つかるケースがほとんどです。
低置胎盤かどうかは、経腟超音波検査をして胎盤の位置を正確に把握したうえで診断されます。
低置胎盤は妊娠後期や分娩時に大量出血しやすくなることから、妊娠期間中・分娩時により適切な管理や処置が必要とされるハイリスク妊娠(※)として扱われます。
Medical Note 「低置胎盤の出産は帝王切開と自然分娩どちらになるの? 」より引用
子宮内で着床するとき、どこの場所に胎盤ができるかが問題になるケースがあります。「前置胎盤」だと、子宮口に一部だったりすべてが覆いかぶさっているので、必ず帝王切開になるようなのですが、「低置胎盤」は必ずしも帝王切開にはならないようです。
とはいえ、今回、通院していた出産予定の産院からは、「低置胎盤」の可能性があって、「MRI検査をしてみないと実際の場所がはっきりしないこと(それくらい子宮口に近い場所に胎盤がある)」と、「帝王切開の可能性があること」、「胎盤の位置によっては、この産院では出産できない可能性がある」ということをききました。これが妊娠7か月の中盤の頃です。
上2人も同じ病院で出産しているので、助産師さんやお医者さんのことも知っていて、勝手を知っているこの産院で産むつもりだった私には晴天の霹靂でした…。
妊娠中のMRIって大丈夫?問題ないの?
MRIと聞いて、あの全身を筒みたいなものでスキャンするあれだよね??と思いながら、疑問がありました。
いきなりMRIって言葉が出てきたけど、妊娠中にMRIって大丈夫なの??
と、いう疑問です。
結論から言えば、妊娠後期の場合は問題ないようです。エコーや触診では、胎盤が子宮口に近いことは分かっても、2cm以上離れているかどうかが精密なことが分からないので、今回はこの検査をして、安全な方法で出産日を迎えられるようにしたいとの話でした。
妊娠中ですが大丈夫ですか?
妊娠初期(妊娠3ヶ月)の検査は控えた方が良いでしょう。妊娠中期以降であれば問題ないと思われます。
公益財団法人山梨厚生会 山梨厚生病院 MRI検査Q&Aより
調べてみると、授乳中の場合は一定期間、授乳を控えたりもするようですが、妊娠中期以降なら妊娠中でもMRIは、胎児への影響は無く、大丈夫という考えが現在一般的のようでした。
そもそも、最初はMRIの「閉所」に対しての恐怖心は持っていなかった
実は、MRIと聞いた最初は、「妊娠中にMRI」ということに驚きはしたものの、胎児への影響がまず問題ないとされているならば、「MRIが怖い」とは思っていませんでした。
実際、産婦人科医から「MRIは狭い空間での検査になりますが、閉所に対して恐怖はありますか?」と事前に質問されたときも、
恐怖はありません。子どもの頃は、押し入れとか、かくれんぼで狭いところに隠れるのは得意でしたから、問題ないと思います!
なんて、ちょっと的外れな回答をしたり余裕しゃくしゃくだったのですが、 まさか、このMRIの閉所空間が次のように自分にとって苦痛の検査だったとは…。
・検査台に横になって、重い服(防護服?)と機械(?)がお腹を含む胴体に乗った時点で「この検査…嫌だ」と直感
・息苦しさを強く感じ、冷や汗が止まらなくなった
・筒に入るときには、「これ、今すぐやめたい」と毎秒恐怖が溢れた
・30分程度なんて到底無理だと思った。「すみません!!できません!」とすぐにでも服や機械を脱ぎ捨ててやめて立ち上がりたい衝動が波のように押し寄せた。
まさに「自分の恐怖心との闘い」でした。
それでも、何とか闘ってMRI検査を終えることができたのは、
「赤ちゃんが無事に生まれてこられますように」という強い願いからです。
MRI検査機の予約が取れたのもラッキーな状況下で、他の検査方法などで確かめるような時間の余裕もない時期でした。
「妊娠中 MRI」等で検索して、このホームページを読んでくださっている方の中には、きっとこれからMRIを受ける方もいらっしゃるでしょう。私のように、「自分は大丈夫!」なんて思っている人も実はこのMRI、難所だったりするかもしれません。少しでも、私の場合の対処法がお役に立てば光栄です。
とっさにその場を乗り切った対処法を
① 自分にとって多少でも楽な体勢で検査を受けられるか聞いてみる
MRI検査をするときは、布製の検査着を着て検査台の上に仰向けに横になり、歯医者のレントゲンでも着るような重い服(防護服?)のようなものを着た上で検査機器をお腹に乗せます。
ただでさえ仰向けの体勢だと大きなお腹で内蔵が圧迫されて息苦しいのに、私にとってこの服や機械は「え。妊婦が本当にこれをするの??!」と気持ち悪くなるくらいの重みでした。呼吸もかなりの圧迫感があってしづらかったです。
そこで、私の場合は、「重い防護服を肩の部分だけでも少し浮かせる許可」をいただきました。最初に指示された「気をつけ」の姿勢ではなく、両手をそれぞれの肩の部分に持って行って、検査の間中、防護服を上に持ち上げて浮かせていました。これで、気持ち悪さは変わらないものの、胸の圧迫感や息苦しさは多少軽減されます。(筒状のMRIの検査機器に入ってからだと、基本的に体勢が変えられません)
検査に支障がない範囲で、少しでも楽な姿勢がありそうなら、担当の技師さんに聞いてみてください。
② 非常停止ボタンの位置確認
MRI最中にどうしても気分が悪ければ、このボタンを押してくださいという非常停止ボタンの存在を常に頭の片隅に置いておきます。検査が中止になった場合でも、費用は発生するようですし、むやみやたらには押せないのですが、精神的にこのボタンの存在が私を楽にしてくれました。
③ 目を閉じる
呼吸がしづらく、体勢が固定されている状態で、自分が閉所空間にいることを実際に見てしまうと、どうしようもない恐怖が沸いてきます。検査中は、基本的に目を閉じている方がいいと思います。
④ 歌をなんども頭でまわす
MRI内では大きな音がしたり、息を吸って・止めて・吐いてというような指示が何度もあったりするのですが、頭の中で、違うことを考えたり、好きな歌を繰り返し回したりしてすぐ身の回りで聞こえる音に執着しないようにします。
⑤ 狭い空間にいることは考えずに、広い空間にいるような想像をする
実際に自分が、MRIという狭い場所にいることを考えるより、目を閉じて、むしろ広い公園に遊びにいっているような場面を想像したり、思い出したりして時間をやり過ごします。
たとえば、普段道路の白線の上を5メートル歩くなんて簡単な人が多いと思います。ところが、その白線だけ10メートルの高さにある平均台のような場合は、白線の上を5メートルの距離歩くこと自体に恐怖を感じます。つまり、周囲の状況から、「落ちたら危険だ」という恐怖を勝手に人が作り上げているのだと思います。
それを逆手にとって、あえて狭い場所ではなく、広い場所にいるところを想像すると、恐怖が少し和らぎました。
⓺ あらかじめ、所要時間の目安を聞く
あとは、検査が始まる前に、自分のケースの場合、どれくらいの目安かを確認しておきましょう。
MRIは基本的に時間がかかる検査です。検査内容によっては数十分から一時間くらいかかることもあるようです。
どれくらい耐えれば、終わるのか聞いておくことで、検査中も「よし、あと●分くらい」と自分を安心させましょう。
私の場合、胎盤確認のためのMRIは、約30分といわれましたが、機械に入っていたのは実際には17分くらいだったと思います。
MRIの費用はどれくらい?
今回のケースの場合、私は、産婦人科病院からの紹介で、MRI装置がある他院でMRI検査をしました。
そのため、紹介状ありで、7,800円(税込)でした。
事前に料金を聞いていなかったため、数万円したらどうしようと思いましたが、払える金額で良かった(汗)。
余談:MRIの結果
MRIを受けた結果、子宮口から胎盤までの距離が2.5センチありそうだということで、低置胎盤ではないと診断され、予定していた産院で分娩することができました。
ただ、MRIは、できればもうお世話になりたくありません。検査が終わった瞬間は心からホッとしました…。
「よくぞ、途中でやめずに検査に耐えられた!」と自分をほめてあげたいくらいです。
どうしてもMRIの閉所が怖い場合は、「オープンMRI」という広い場所で行うMRI検査や、「薬などで対象者を眠らせて行うMRI」もあるようですが、 妊婦に対応しているかまでは分かりません。ただ、確認をしてみてもいいかもしれません。
今回の私の経験が皆さんの役に立てますように!
トピック関連本の紹介①『初めての妊娠・出産 最新版』~たまひよブランドの安心感
タイトル:『初めての妊娠・出産 最新版』
妊娠や出産って些細なことでも不安になります。初めての出産ならなおのこと。2度目、3度目でも、全て「前回同様」なんていかないもの。ネットでは情報が溢れているけれど、本という形で、安心・信用できるものが手元に一冊あれば心強いのではないでしょうか。妊婦さん、育児中ママさんに根強く支持されているたまごクラブひよこクラブ(ベネッセ)の一冊です。あなたの気がかりがこの一冊で解決しますように。
トピック関連本の紹介② 『はじめての妊娠・出産 安心マタニティブック』~妊娠10か月間のお腹の中の毎日が分かる!
タイトル:『はじめての妊娠・出産 安心マタニティブック』
妊娠期間10か月分の毎日のお腹の中の様子が書かれています。
上のお子さんと一緒に読んで、「今、耳が作られているんだって」とかお話をしても、ほっこり気持ちが落ち着きます。
お腹の中は見えないけれど、「今こんな感じなんだ~」というのが分かると、会いたい気持ちもどんどん高まります。
マタニティーライフにそっと一冊あったら、嬉しい一冊です。